5G時代の今、YouTubeチャンネルを企業マーケティングに取り入れる方法

YouTubeには20億人以上の月間アクティブユーザーが存在し、毎日10億時間以上の動画を視聴しています。5GをはじめとするICTインフラの整備が進めば、視聴者の動画閲覧がさらに増えることは想像に難くありません。

以下は2020年9月に総務省が公開した「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」をもとに、主要ソーシャルメディアの利用率を世代別に示したグラフになります。

SNSサービスとアプリの利用率のグラフ
【令和元年度】主なソーシャルメディア系サービス/アプリ等の利用率(全年代・年代別)

コミュニケーションツールとして普及するLINEの次に、YouTubeが全世代にわたって浸透していることがわかります。

老若男女、年齢国籍問わず、さまざまな人々が集まる巨大プラットフォームYouTubeを企業が利用する場合には、どんなコンテンツを投稿していけばよいのか。Google検索やGoogleマイビジネスとの相乗効果も期待できる方法をお伝えします。

YouTubeを自社のマーケティングに活用するために

最新のテクノロジーによって動画制作の難易度は下がっていますが、視聴者の評価を得るためには質の高いコンテンツを提供しなければなりません。企業チャンネルであれば、開設の前にビジョンを明確にする必要があります。これは企業運用のInstagramやFacebook、Twitterと同じ考え方です。

ブランドの認知度を高めるためのマーケティングキャンペーンであれば、YouTubeを視聴した人の、どんなアクションをコンバージョンとするか。目標 (KPI) はどこに設定するか。また、どのようなジャンルでコンテンツを作っていくか、マーケティングチームのメンバー間でのブレインストーミングも重要になります。

動画の目的を決める

YouTube動画のジャンルは多種多様で、2021年3月現在は動画ごとにカテゴリが設定できます。カテゴリは、[映画とアニメ]、[自動車と乗り物]、[音楽]、[ペットと動物]、[スポーツ]、[旅行とイベント]、[ゲーム]、[ブログ]、[コメディ]、[エンターテイメント]、[ニュースと政治]、[ハウツーとスタイル]、[教育]、[科学と技術]、[非営利団体と社会活動]。
マーケティング目的でYouTubeを配信する場合には、下記のテーマで動画制作することをおすすめします。

業界のリーダーへのインタビュー [科学と技術]

オラクルのyoutube画面

オラクルのチャンネルでは、CTOのラリー・エリソンや他の業界スペシャリストへのインタビューを公開。同時にライブストリーミングも積極的に活用しています。

製品デモとチュートリアル [ハウツーとスタイル]

IKEAのyoutube画面

IKEAは、製品組み立てのハウツーおよびチュートリアル動画をアップロードしています。再生リストには、「おうち時間」を快適に過ごすためのヒントも上がっています。

お客様の声 [科学と技術]

lifelockのyoutube画面

LifeLockのメンバーシリーズは、実際に利用しているユーザーのレビューに焦点を当てたコンテンツを制作、公開しています。利用者の製品へ寄せる信頼感が、リアルに伝わってくる動画です。

イベントビデオ [スポーツ]

ルルレモンのyoutube画面

高機能アスレティックウェアを展開するLululemon (ルルレモン)は、イベントプレイリストを通じてワークアウトイベントとSweatLifeフェスティバルを共有しています。

B2Bブランディング [科学と技術]

リコーのyoutube画面

事務機器、光学機器のリコーは、自社のブランディングにYouTubeを利用しています。ウェブサイトだけでは伝わりにくい企業紹介と、企業の「中の人」へのインタビュー、そしてリクルート動画を充実させて社内の雰囲気を伝えています。

企業が積極的に採用目的のYouTube動画をアップロードする理由には、YouTubeやTikTokに親しんでいる世代に対して、テキストより動画の方が企業メッセージが伝わりやすいことがあげられます。さらに動画で職場の空気感を知ってもらった方が、入社後のギャップを防げるといったことから、チャンネル開設する企業が増えています。

購入マインドを動画で後押しする [ハウツーとスタイル]

実印良品のyoutube画面

無印良品のチャンネルでは、比較サイトやレビューを読んで、すでに商品知識を備えているユーザーに対し、シーン毎の使い方やディテールを紹介する数秒~数分の短い動画を提供。購入への意思決定を後押ししています。

YouTubeライブ

ライブビデオストリーミングを使用すると視聴者とリアルタイムの体験を共有できます。ライブ動画はすべてチャンネルアーカイブに保存されます。

動画の最適化

B2C、B2Bを問わず、オンラインマーケティングの成功は、結局のところSEO次第ともいえます。そこでYouTubeの検索結果で、自社の動画を最大限にアピールするために、コンテンツを最適化してみましょう。幸いYouTubeのためのSEOのベストプラクティスは比較的シンプルで、外部リソースを必要とせずに実施可能です。

動画のタイトル

動画をクリックするかどうか、意思決定を促すタイトル付けはとても重要です。ユーザーの関心を引くための文字情報は、検索ワードをヒントに作ります。考え方はウェブサイトのH1タグと一緒です。ターゲットオーディエンスが何を検索しているか、そして検索結果のコンテンツにはどんな表現が使われているかを調査してみます。競合のコンテンツを調べたり、ユーザーのインサイトを把握したりといったことで、YouTube検索に有効なワードが見つけられます。これをもとにタイトルを作成します。同時にGoogleトレンドキーワード プランナーを使ってみることもおすすめします。

そしてタイトルの長さは60~65文字以内にキープすることにも配慮してください。海外のファンを獲得したいのであれば、最大の文字量 (日本語の場合は100W) で日英の両方のタイトルを付けてもよいでしょう。

動画の説明

YouTube動画の下にある「説明」も、SEOに大きく影響します。コンテンツを「検索」しているオーディエンスとの接点が築けるだけでなく、動画の再生を促すトリガーにもなります。タイトル同様、説明もインサイト情報などから適切なキーワードを調べて本文内に挿入すると、Google検索からの流入も見込めます。

ただし検索結果の上位に表示されたいからという理由で、動画と関係のないキーワードは使用しないでください。オーディエンスの期待を裏切るだけでなく、Google のポリシーに違反することになり、アカウント停止の事態を招くことにもなりかねません。

サムネイル

YouTubeのサムネイルに、自動生成された動画のスクリーンショットを使っているのなら、カスタムサムネイルに変えてみることをおすすめします。YouTubeのレポートによると、パフォーマンスの高い動画の90%が、カスタムサムネイルを使っています。雑誌や本の表紙が多くの読者を引き付けるのと同じように、サムネイルで潜在的なファンにアプローチしてみましょう。

効果的なカスタムサムネイルの作り方については、YouTubeのクリエーターアカデミーで詳しいレクチャーが受けられます。

アナリティクス

自社製品のPRやWeb集客にYouTubeを使ってKPIを達成するためには、過去データの振り返りと、競合他社のデータを活用します。新しいコンテンツをアップロードする前に、どれだけフォロワーや視聴者に訴求できるか、事前に予測をたててみる。さらにチャンネル登録者の増減数と、動画の視聴数、再生回数や、視聴者のセンチメントといったYouTubeアナリティクス内の指標を理解することで、パフォーマンス向上が望めます。

Napoleoncatを使うと、YouTubeにログインしないでアナリティクスを確認できます。

youtubeコンテンツの競合調査
競合YouTubeチャンネルの投稿頻度を調査

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さらにベンチマークしたチャンネルをトラッキング、調査することも可能です。競合他社の成功のポイントを把握できたら、自社コンテンツに応用してみるのも方法のひとつ。例えばタイトルの付け方、説明の長さ、サムネイル画像の文字レイアウト、動画の尺の長さなどを複数チャンネルと比較して、表示することも可能です。

まとめ

YouTubeは業界に関係なく、マーケティング戦略に貴重なメリットをもたらすことのできる動画プラットフォームです。SEOに動画コンテンツを利用することで、検索サイトからのオーガニックトラフィックを157%増加させる、との報告もあります。

YouTubeチャンネルで視聴者とのエンゲージメントを高める一方、YouTube上で広告キャンペーンをローンチし、アクティブユーザーとのタッチポイントを増やすといった施策も可能です。デジタルマーケティングの一環と捉えて運用してみてはいかがでしょう。